小泉政権によるイラクへの自衛隊派遣に反対し、国連中心の復興支援に転換を


代表 村田邦子
いまだに戦闘状態が続くイラクで、二人の日本人外交官が銃撃され命を落としました。
アメリカ支持を表明したスペイン、韓国、イタリアなどの関係者が次々と標的となっている現状からすれば、予測され得た事態がついに起こってしまったといわざるを得ません。
身近に起こった事件から、あらためて、イラクに暮らす多くの市民の命が、日々、危険にさらされていることを実感します。亡くなられた二人のご冥福を心からお祈りすると共に、私たちは、イラクへの自衛隊派遣に反対し、国連中心の枠組みで、イラクの人々が主体となった復興への支援への転換を強く、求めるものです。

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アメリカが、大量破壊兵器の存在を理由に、国連決議を経ずに始めてしまったこのイラク戦争は、いまや抜き差しならない状態に追い込まれ、第2のベトナム戦争とも言われています。小泉首相は、国連での議決を前提としていたにもかかわらず、日米同盟を最も重視し、国論が二分する中、アメリカの武力攻撃を後押しする役割を果たしてきました。
この間、ブッシュ大統領は、戦争が終結したとして、フセイン政権からの開放と民主化を旗印に、イラクを占領統治してきましたが、暴力による征圧は暴力による抵抗を生み出し、相変わらずの戦闘状態がつづいています。

このような状況のイラクにおいて、「人道支援」や「復興支援」という名の下で、自衛隊という紛れもない「軍隊」の派遣は、攻撃の対象となることは、火を見るより明らかです。力に対する力の報復が、さらに、弱い立場の人々の生命と生活に大きな被害をもたらすことになりかねません。
今、進めるべきことは、アメリカによる占領の早期終結を促し、国連を中心とした復興支援の枠組みの中でイラクの人々の主権回復に協力することです。本来、自由や自治はその国の市民が自ら勝ち取るものです。これ以上、尊い命をなくさぬよう、犠牲者を出さぬよう、一刻も早く、アメリカの説得とアラブ世界に対する働きかけを行なうことが、日本の責務であり、イラクの人々自身による統治を一日も早く実現できるよう、世界中の知恵を集めなければなりません。

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神奈川ネットワーク運動は、ローカルパーティとして「人間の安全保障」政策を基本に、民際外交、民際支援の活動との連携、アジアの市民のネットワークから地球社会の平和の構築を提案してきました。
改めて、小泉政権に対して、イラクへの自衛隊派遣の即刻中止と、国連を中心とした復興・支援への転換を求めるものです。