■ 事業仕分けと議会の役割


 政府の行政刷新会議による「事業仕分け」が終わりました。9日間の作業で、「廃止、縮減、国庫返納」とされた総額は1.95兆円に上りました。その金額もさることながら、何よりも、予算編成のプロセスが公開された意義は大きいと考えます。
 仕分け作業はインターネットでも中継され、多くの市民が関心を寄せ、税金の使い道を考える機会となりました。「パフォーマンスである、短時間の議論で乱暴である」といった仕分けのあり方への批判、また、民間仕分け人の人選や権限に対する疑問に至るまで、様々な意見が出されましたが、結果として国民的作業となったのです。
 
 予算編成は、長い間政治家と官僚、既得権益が結びつき、市民から遠く離れた霞ヶ関で進められてきました。事業仕分けはこれを国民の監視のもと政治主導で進めるという試みです。試行錯誤のスタートであり、課題があって当然です。今後、より望ましいあり方を検討すべきでしょう。さらに、本来は国会がその役割を果たすべきであり、十分な予算・決算審査が行なわれなければなりません。
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 一方、地方自治体でも厳しい財政状況の中、地方版事業仕分けも全国で広まっています。ムダを無くすことは必要ですが、どういう地域社会を目指すのか、地域固有の課題にどう向き合うのか、そのために税金をどう使うのかを市民から付託を受けた議員こそが議会で論じていくべきです。

 二元代表制の地方議会においては、予算提案を行なう首長に対するけん制力として議会は大きな責任を負っています。  本来の行政監視の役割を強めると共に、市民生活に直結した政策を進める立法府として議会の役割を果たしていきます。
【情報紙NET291】NET共同代表 若林智子(ネット青葉/横浜市議)