地方議会の民主主義が問われる


 栗山町の議会基本条例の制定から4年。すでに全国84自治体議会で議会基本条例が制定されていますが、『アクセサリー条例』などと揶揄されている現状もあり、議会改革の内実が問われる時期に来ています。
 
 この間、総務省でも地方行財政検討会議が設置され、地方自治法の抜本改正や地方政府基本法(仮称)の検討が進められる中、地方議会のあり方も論じられています。イギリスの地方政府をモデルに、現在の二元代表制を大きく変える試案も議論されはじめました。
 例えば、大阪の橋下知事からは、選挙で選ばれた自治体首長が議員から副市長を任命し、ほかの議員は政策評価委員会のメンバーとして、地方政府を監視する役回りを持つという私案が出されています。また、自治体首長は提案権のみで議会が決定権を持っている、二元代表制はもはや限界といった意見も他の首長から出されています。
 しかし、地方自治法上、すでに首長には予算提案権や人事権など、議会に比べて権限が集中しています。首長に対峙し、行政の監視機能を発揮することが議会に求められます。
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 鳩山政権が地方分権から地域主権へと、さらに踏み込んだ国と地方自治体との協議の枠組みを設けたことは、一定の評価をすべきです。しかし、この間の首長の意見に偏って進められている議論はバランスを欠いています。政府と一体化した首長中心の政治主導の動きに対し、民主主義の根幹である地方議会が問われています。

 身近な議会だからこそ、市民の参加を得て政策・制度提案を進め、その存在意義を示さなくてはなりません。
 私たちは、市民生活のための民主主義を実践する議会改革に取り組みます。

【情報紙NET293】NET共同代表 若林智子(ネット青葉/横浜市議)