議会改革は市民と共に


 国の地方行財政検討会議では、地方自治法の抜本改正や地方政府基本法の検討が進められています。この中で、議会内閣制にも触れていますが、これは今以上に首長の権限が強まることになり問題です。何より、どのような制度改革も全国一律の制度を押し付けることは、地域主権に逆行しています。

 自治体の意思決定権は、首長と議会という二つの政治的代表機関にあります。ところが、議会が首長を支えるオール与党であったり、首長が二元代表制を覆す暴走をする例も出てきています。

 名古屋市では、首長の提案が否決されると自ら市議会のリコールを仕掛け、阿久根市では、議会を開かず専決処分を繰り返した市長にリコールが突きつけられました。 二元代表制では、議会は執行機関とは独立・対等の関係です。首長と議会がそれぞれの機能を果たすことが、民主主義の根幹です。しかし、市民には議会の活動が見えにくく、残念ながら議会はいらないという声もたびたび聞かれます。
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 危機感を抱いた全国各地の137の地方議会が議会基本条例を制定し、県内でも神奈川県や川崎市、湯河原町など8議会が制定しています。しかし、条例が制定されれば議会改革が進むわけではなく、いかに市民に開かれた議会とするかが問われています。市民が使いやすい議会となる改革を進めることです。
 会津若松市では、議会基本条例制定の際に検討委員会を設け、議員ばかりでなく市民も参加して意見を反映させました。制定後に、市民が議会をチェックする機能も備えています。
 また、会派を超えた議会報告会などの取組みにより、議会が何をしているかを伝えて、市民との対話を進めることも合議の機関の役割です。こういった市民と共に改革を進めることこそ、本来の議会改革です。
【神奈川ネット情報紙 303号 2010/12/15】視点より
 石川寿美(ネット鎌倉/市議)