2017年衆議院議員選挙に向けて 分断なき社会をめざす


 9月28日、安倍首相は、臨時国会の冒頭、衆議院の解散を表明しました。森友学園・加計学園の追及を避ける大義なき解散との批判は免れません。政治に対する信頼を取り戻すことが求められていながら、問題を先送りにし政治不信は増幅されています。

 社会保障制度はすでに限界を迎えており、年金や介護保険制度への不安、ニーズを十分捉えきれない保育政策への不満、そして若者が自立できずに苦悩する現実など、一人ひとりが自分らしく暮らすための環境整備は全くもって不十分なままです。

 9月27日に結党された希望の党代表に小池東京都知事が就任、知事選・都議会選挙と同様に反自民の受け皿を標榜し、民進党との合流構想に繋がりました。しかし、憲法9条を中心とした改憲問題や安保法制、共謀罪の是非など、政策的な対立軸が明確に示されないままで、このうねりに翻弄される政治家の姿からは、自身の議席を得たいという思惑が透けて見えます。こうした劇場型政治に対しては全く期待は持てません。

 10月2日、立憲主義、民主主義、そして、表現の自由を守り情報公開を進めるというリベラル政治勢力が「立憲民主党」を立ち上げました。民主主義は議論を重ねた中で合意を見い出すためのもので、誰も排除しない、分断しない社会づくりの原点です。

 衆議院神奈川選挙区ではリベラル勢力にとっては非常に厳しい情勢が予想されますが、こうした状況にあっても、ローカルパーティとして、市民が政治に関わり政治を動かしていくことを諦めるわけにはいきません。

 神奈川ネットは「未来につなぐ働き・暮らし」という基本政策を掲げ、制度の狭間で悩み苦しむ人々を支える実践に学び・繋がり、排除や分断を生むことのない社会づくりのために努力を続けてきました。社会保障の財源をどのように生み出すかという課題についても、一人ひとりの尊厳や多様性を尊重する信頼ある政府のもとで、しっかりと議論を進めていくことが必要です。リベラル勢力の力を結集し、その基盤づくりを進めていきます。

代表 佐々木 ゆみこ(ネット宮前/県議 )
【神奈川ネット情報紙No.385 視点より】