北東アジアの平和と非核化を実現させよう


朝鮮戦争は停戦状態のまま65年の歳月が経過しました。北朝鮮は、中国の軍事力強化や、米韓演習など挑発行為に対抗し、イラク戦争が始まった2003年頃から本格的に核、ミサイル開発を進めてきました。30年間も続く米韓演習では、横須賀の空母艦載機やミサイル防衛搭載のイージス艦がその中心を担っており、軍事的緊張を高めることに加担してきた神奈川の基地の存在こそを問わなければなりません

板門店(パンムンジョム)において大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の間の南北首脳会談開催。38度線という分断を象徴する場で両首脳が歴史的な握手を交わした。これは、65年にもわたり継続した南北分断がようやく無くなる起点となるかも知れない感動的な光景。

朝鮮半島は、大きな歴史的転換期を迎えようとしています。その始まりは 韓国の民衆が選んだ文在寅大統領の誕生でした。4月27日の板門店宣言では南北両首脳が、自らが生きる地を戦場にしないと合意しました。朝鮮半島の非核化をめざすことは、朝鮮半島非核兵器地帯を設立するという意思表示でもあります。


また、6月12日、史上初の米朝首脳会談が行われ、米朝共同声明の合意文書のなかで、特に「朝鮮半島の永遠的かつ安定的な平和体制の構築に共同で尽力すること。朝鮮半島の完全な非核化に向け努力すること」を明らかにした意味は大きく、長年、敵対関係にあった両国にとって歴史が大きく動いたことになります。

首脳会談の宣言・合意を履行させ、さらには日本の核依存、安保・軍事政策をも転換させ、北東アジアの平和を揺るぎ無いものとしていくために、非核兵器地帯構想を具現化していく世論形成進め、市民社会の役割を果たしていきます。

牧嶋とよ子(市民による人間の安全保障研究会事務局/NPO法人ピースデポ理事)