「自民党総裁選」にもの申す



                       NET共同代表 若林智子(横浜市会議員)
自民党総裁選のスタートとともに、総裁候補二人の街頭演説の様子が繰り返しメディアに登場しています。新総裁、そして、新総理誕生によって、政権支持率の回復も予想されています。しかし、自民党の総裁を選ぶ選挙のために、二週間も国会審議が止まり、税金も無駄に使われていることや、このタイミングで総裁選が行われることになった経緯を考えれば、現在のマスコミ報道のあり方にも疑問を感じざるを得ません。しかも、総裁選にアメリカ大統領選挙のように市民の選択権はありません。

自民党は、長きに渡り、党内の「振り子の原理」の総裁交代により、自民党政権への批判をかわしてきましたが、先の参議院選挙における民意は、安倍政権への不信任であり自民党への批判です。安倍政権が問われ続けた年金問題や政治とお金の問題は、官僚システムや政・官・業の癒着による政治腐敗そのものであり、長期政権が生み出した構造的な問題です。

さらに、安倍政権を続投させ、その首相の突然の辞任により政治的空白を作り出した責任も含め、新たに誕生する政権は、市民の審判を受けるべきです。民意を軽んじることは、民主主義を軽んじることに他なりません。

コップの中の嵐を取り上げ続けているマスコミも、本来伝えるべき情報は何なのかが、問われています。