2012衆院選結果への見解 ― 選ぶ政治から参加する政治へ


 今回の選挙は、東日本大震災後初めての国政選挙であり、未来への選択が問われた選挙です。被災地の復旧・復興とともに、私たちの生き方・働き方につながる問題としてエネルギー政策のあり方を問い、政治構造を変えるチャンスでもありました。

 残念ながら投票率は過去最低の59.21%に留まり、政党が乱立する中で、政党支持率20%台にもかかわらず自民党が圧勝。この結果は、まず、政権交代に託した市民の期待に応えることができなかった民主党への失望感の表れです。しかし、巨額の財政赤字や、雇用・経済対策、ずさんな原子力政策や先送りされている社会保障制度の再構築など、過去に自公政権が責任を負っている課題が多くあります。政党への期待と失望を繰り返し選挙のたびに大きく振れる民意は、閉塞感や政治不信の表れです。若者の投票率の低さも指摘されていますが、あらためて当事者性の高い政治を進めていかなければなりません。
 一方で、若い世代の中には、NGOやNPOなど「社会を変える」多様な実践も生まれ、ソーシャルメディアを通じ政治・選挙への参加を呼び掛けるメッセージに共感が広がりつつあります。

 私たちもまた、自らがコントロールできる経済、働き場を地域に広げる活動、セーフティネットを生み出すことを通じて、地域から政治を変えたいと活動してきました。人口減・縮小社会に向かう中、グローバル化やナショナリズムに対峙する「豊かな市民社会」をつくり、若い世代の参加で政治・社会構造を大きく転換することが必要です。

 私たちは今、確実に時代の転換点に立っています。生活の全てが政治につながっています。未来に責任を持つために、選ぶ政治から参加する政治に変えていきます。

【神奈川ネット情報紙 No.327視点より】
神奈川ネット共同代表 若林ともこ(ネット青葉/県議)