国会で子ども・子育て新システム関連法案が可決•成立しました。50年に一度と言われた保育制度改革が論じられてきた背景には、まずは待機児童問題があります。保育ニーズの受け皿を広げるために総合こども園や指定制の導入など、認可保育所と幼稚園のあり方を根本的に見直す議論が続けられてきました。しかし、3党合意によって法案は修正され、保育所はこれまで通りの認可制を前提とした制度で運用されることになりました。
一方で、神奈川ネットが必要性を提起してきた小規模保育、居宅訪問型保育などを実施するための「地域型保育給付」が創設され、これまで認可外保育とされてきたサービスが国からの給付の対象となります。
育児の負担感や養育の困難さから、就労してでも子どもを預けたい、また一時保育サービスが足りない等の様々な保育ニーズが認可保育所に集中してきました。新たに制度化される地域型保育給付が若い世代の多様な生き方・働き方を支えるしくみとなることが期待されます。
小規模保育は、県内市町村で独自の取組みが進められてきました。今後、国が指定基準を定めることになりますが、市町村の裁量が一定程度認められ、地域の特性やニーズに応えるシステムとなるよう、これまでの実践を検証することが必要です。
さらに、市町村は地域子ども・子育て支援事業として、放課後児童健全育成事業や一時預かり事業等を行なうことになり、2015年度の制度実施にむけた検討が必要です。このプロセスには当事者や事業者も含め多様な人々が参加すべきであり、その枠組みとして早い時期に市町村版「子ども・子育て会議」が設置されることが望まれます。新システムは、まさに、地方の創意工夫が試されるしくみです。
神奈川ネットは、引き続き、ワーカーズ・コレクティブによる子どもミニデイサービスなど、これまでの神奈川における保育・子育て支援の実践を制度に生かすよう、提案していきます。
【神奈川ネット情報紙 No.324視点より】
神奈川ネット共同代表 若林ともこ(ネット青葉/県議)