安倍内閣は、7月1日、集団的自衛権の行使容認の閣議決定を行いました。閣議決定は、平和国家としての歩みや力強い外交などの言葉を使いながら、60年間の「戦争をしない国」の平和政策を根底から変えるものです。
神奈川ネットでは、軍事による解決が「安全保障」に繋がるのではなく、多様な考え、文化をもった市民同士がともに安全に生きる権利を私たち市民が自ら考え、実行するという「人間の安全保障」という考えに基づいた活動を行なってきました。
地域で行ってきた草の根の民主主義の活動は、アジアとの関係だけではなく、あらゆる国・地域の人々との相互の助け合いをひろげてきました。30年以上市民が主体となってつくってきた平和活動を後退させるわけにはいきません。
憲法は、国民の権利・自由を守るために、国がやってはいけないこと、やるべきことについて定めた最高法規です。今回の閣議決定では、時の政権が都合よく解釈できる余地を残しており、憲法の構造そのものを変えてしまう危険性にさらされています。行使容認への反対は世論調査でも半数を超えており、市民の同意が得られているとは到底言えません。価値観や文化が異なる市民同士がつくってきた平和を守ることこそが今、求められています。私たちは、今回の閣議決定に強く抗議し、撤回を求めます。
参加・分権・自治・公開を掲げるローカルパーティがめざすのは、憲法の中心命題の一つでもある人権の保障を現実化していくための実践であり、日々の立憲活動です。とりわけ、第2の基地県である神奈川において、軍事によらない市民による人間の安全保障の実現に向けて、NPO、NGOと連携した民際外交などにより、国際社会における信頼を築くことに、一層の努力を続けていきます。
【神奈川ネット情報紙 No.346視点より】
事務局長 前田多賀子(厚木市民自治をめざす会)