岩国に移転しても、爆音は無くならない


〜厚木基地問題

                          伊知地るみ(大和市議会議員)
46年間にも及ぶ、爆音防止を求める運動が続けられている大和の空。今、日米で進められている「米軍再編計画」では、負担軽減策として、岩国への艦載機部隊の移転が示されています。
 しかし、はたして、私たちの空の爆音はなくなるのでしょうか?
 米軍再編計画中間報告では…
◎米艦載機57機は、2008年以降、岩国へ移転。ヘリコプター部隊は残る。
◎岩国の海自機17機を厚木へ移転。厚木基地の航空機は108機から68機に、人員は約5,900人から約5,000人に。
◎夜間離着陸訓練は引き続き硫黄島で行う。と、示されています。
 しかし…
●艦載機の定期整備等、厚木基地を経由する可能性大。
●艦載ヘリコプターの定期整備・補給の部隊は、厚木基地に残る。
●自衛隊の移駐で、通年化した自衛隊機による騒音。
●キャンプ座間への米軍及び自衛隊の司令部移駐による航空機は、厚木基地に配備の可能性大。
 …など、岩国に艦載機部隊が移っても、大和の空の爆音はなくなりません。
 
 横須賀に入港する空母は、2008年には、原子力による空母への変更を日米政府間で合意しており、その機能はますます強化されることになります。事実上、米空母の母港化となっている横須賀の、米軍基地機能がなくならない限り、大和の空の爆音はなくならないのです。
 岩国への艦載機部隊の移転は、訓練基地による爆音と、事故被害の危険性を、分散化させるだけです。
 私たちの暮らしの上空を飛ぶ艦載機は、今まさに戦地であるイラクで任務を遂行している戦闘機です。
 私たちは、多くの人々が血を流す戦争のための訓練を、多額の思いやり予算でサポートし、危険性と常に隣り合わせの暮らしをしています。
 基地機能の強化・恒久化で、私たちの暮らしが守られることはありません。
*「思いやり予算」として拠出された税金は、1979年以降、約3兆円にも及ぶ