政権たらいまわしから政治の構造転換を


            若林智子(神奈川ネットワーク運動共同代表/横浜市議)
 安倍前首相の突然の辞任から一年、この国のトップ は、再び、 「後はよろしく」とその座を放棄してしまいま した。人々の生活に向き合う政治は、簡単に投げ出せる ものではありません。政治は途切れる事のない生活の現 場につながり、社会の豊かさにつながるものでありたい と思います。

 そもそも、派閥の談合によって誕生した福田政権。政策 も政治判断も、解散総選挙を視野に入れた与党内の合意 が最優先され、その挙げ句の内閣改造と直後の辞任劇は、 自らが訴えてきた国民目線とはほど遠いものでした。
 少子高齢社会に向う社会保障制度や環境対策、財政再 建と多くの課題も先送りされたまま、派閥横断で候補者 乱立の総裁選劇場も始まっています。
 政権交代がなければ、もはや、国の政党は再生されない のではないでしょうか。
 
 リクルート事件、佐川急便事件などによる政治不信が 増大する中、1993年、細川非自民政権が誕生しました。戦 後、続いた55年体制が崩壊する中、初めて実現した政権 交代です。細川政権は政治改革を最大の使命とし、政治 とカネの問題に切り込む政治改革法案を成立させ、選挙 制度改革への取り組みもなされました。
 しかし、残念ながら、細川政権が消えると同時に改革は 骨抜きにされ、その後も政治と金をめぐる事件は後を絶 ちません。社保庁や国土交通省の不正や腐敗に、官僚政治 も末期的な状況です。

 あらためて、次期総選挙で問うべきことは、政治の構 造転換です。企業・団体献金を廃止し、国のすみずみまで 支配する官僚のコントロールから脱し,市民の自治を広 げていくことが必要です。