市民同士の交流から、日韓の平和と相互理解をつくりだそう!
共同代表 檜山智子(小田原市議)
2002年ワールドカップの日韓共同開催以来、韓国のドラマや映画が人気を博す“韓流”ブームが続き、日本から韓国を訪問する観光客も、初めて女性の数が男性を上回るなど、新たな日韓友好関係到来かと思われていたこの3月、竹島問題や歴史教科書問題をめぐって、再び韓国で日本に対する激しい抗議行動が起きました。2001年の歴史教科書問題に次ぐ今回の隣国の反応に、私たち日本の市民はしっかりと向き合う必要があります。
残念ながら100年前、竹島編入の島根県告知から、日本による朝鮮半島の植民地化が始まったという事実を、私たち日本人のほとんどは、今回の島根県による「竹島の日」条例制定まで知らなかったのです。韓国では、このことがすべての出発点にあるというギャップ。このギャップを日本の敗戦、つまり朝鮮半島植民地化終了から60年経過した今日において、まだ、日韓の両市民は超えられていません。
北朝鮮や中国との関係についても、同様のことが言えます。むしろ、「日韓併合は朝鮮人の意思」というような発言すら出現するに至っては、未来に向けた相互の信頼関係をつくりだす作業の困難さを感じざるを得ません。
しかし、古代より文化や人が行きかい、互いの営みに影響を与え合ってきた東北アジアに暮らす私たちにとって、過去の歴史をしっかりと捉えつつも、国の枠組みにとらわれることのない、市民同士の交流による、未来に向けた大きな歩みを進めていくことが今こそ求められています。
韓国の市民運動家や地域政治家とNETは、この間、交流を広げてきました。男性中心だった日本の政治文化から、女性・市民が自分の暮らす地域コミュニティで政治に参加することを広げてきた私たちNETの実践に対して、韓国のNGOの方たちからは評価をいただき、いつも多くの真剣な質問を受けてきました。
血の滲むような民主化運動の末、勝ち取られた現在の韓国の市民社会では、多くのNGOが政治的・社会的な影響力を発揮しています。今度は、私たちが、韓国の市民社会運動から学びます。そして、共通のテーマをもった市民同士の学び合いから、信頼と相互理解を深め、北東アジアの平和の実現に寄与していきます。
いま、このような厳しい時期だからこそ、改めて、ローカルtoローカル、ピープルtoピープルの関係を幾重にもネットワークし、日韓市民社会の強化によってアジアの平和をつくりだします。
☆研修日程:5月15日(日)〜20日(金)
【プログラム】
16日(月)◆地方議員と懇談会
◆神奈川ネット招待討論会「日本の緑地域政治の経験と展望」
◆韓国YWCAとの懇談会
17日(火)◆ウリ党、ハンナラ党、民主労働党等との意見交換会
「地域政治と国会とのパートナーシップ」
◆NGO訪問:参与連帯、環境運動連合、緑色連合等
18日(水)◆NGO訪問:美しい店、美しい財団
◆緑の政治と地域運動に関するシンポジウム
19日(木)◆フィールドワーク:歴史博物館とソウル市の都市計画を視察
◆女性民友会との懇談会