総会アピール
今、私たちの社会は、グローバル経済化が急速に進み、構造改革によって官から民への流れが加速し、ますます市場原理によって支配されようとしています。競争社会の中で、格差は広がり、人々は孤立し、不安定になっています。若者は、勝ち組、負け組という言葉によって自分や他人を判断しようとしています。
価値が一元化された閉塞状況は、さまざまな問題を生じさせています。耐震偽装問題、アスベスト対策の遅れ、ライブドアの証券取引法違反、東横インの不正改造問題、青少年の凶悪犯罪、いじめ、不登校、ニートの増加等はこうした社会状況がもたらした問題です。
こうした状況にあって、私たちがローカルパーティとして実践してきた参加型政治、生活者政治が、今ほど必要とされている時代はありません。
今、求められているのは、神奈川ネットワーク運動が地域で実践してきた市民主体のまちづくり、人と人との助け合いに基礎をおく新しいコミュニティづくりです。市場原理では無視されがちな女性や子ども、高齢者、障害者、外国人労働者といった人たちがもつ価値を見直し、新しい豊かさ、多様な生き方・働き方を市民の側から生み出すことが必要です。
また、昨年発表された米軍再編中間報告は、米軍と自衛隊の一体化、基地機能を強化しようというものであり、横須賀基地へ原子力空母の配備や池子の米軍住宅追加建設とともにアメリカの軍事戦略に加担するものです。私たち神奈川ネットワーク運動は、「武力で紛争を解決することはできない」という立場に立ってこの動きに反対し、地域のNPO、NGO、平和を願う大勢の市民と連携して「軍事によらない人間の安全保障の構築」を目指して、活動していきます。
神奈川ネットワーク運動がこれまで取り組んできた参加型政治、生活者政治をさらに推し進め、世界の市民ともネットワークして、市場経済優先社会から生活優先社会へ、軍事による安全保障から人と人のネットワークによる安全保障への転換を地域からすすめていきます。
将来に希望が持てる社会、多様な選択肢、可能性を感じることができる社会をつくるために、市民の知恵とカンパとボランティアの力で2007年統一地方選挙を元気におおらかに戦い抜きましょう。
2006年3月4日
神奈川ネットワーク運動 第26回総会