4情報が危ない! 住民基本台帳の「駆け込み大量閲覧」の防止を!


私たちの個人情報が市町村を通じて流出し、犯罪に巻き込まれる危険にさらされています。住民基本台帳法11条により、住民基本台帳にのっている私たちの氏名・住所・生年月日・性別の4情報を、原則誰でも閲覧することができ、閲覧した内容は書き写して持ち帰ることができます。

●目的偽り、悪用した犯罪も    
 名古屋市の少女に対する強制わいせつ事件では、区役所の台帳から母子家庭の一人っ子の小中学生を探し出していたことがわかりました。閲覧目的は「音楽教室の案内」と偽っていました。多くの場合リストは世帯別に並んでおり、原則公開の4情報以上の情報が、流出しているのです。独居老人もすぐわかり、振り込め詐欺や悪質商法、架空請求などへの悪用も心配されます。台帳原則公開の現状では、悪質な閲覧を防ぐことはできません。

●国も動き出したが、先ずは市町村での規制を    
 総務省でも閲覧制度を考える検討会が開かれ、来年の国会に法改正案を提出する構えです。しかし国の法改正までには時間がかかります。
また、法改正前の駆け込み大量閲覧が今後どの市町村でも続く危険性があります。

●商業目的の大量閲覧を制限するには     
 すでに商業目的の不特定多数に対する大量閲覧を制限している自治体はあります。熊本市では不特定の個人情報の閲覧を拒否できる条例を制定し、昨年8月から施行されています。世論・学術調査などは、市長が認めた場合にのみ認められます。

●本来、住民基本台帳閲覧制度は「自治事務」であり、自治体が自ら、市民のためのルール化に取り組むべきです。
 私たち神奈川ネットワーク運動は、各自治体に住民基本台帳の閲覧は公的な目的に限定し、商業目的での大量閲覧を禁止するよう、条例制定を求めていきます。
 神奈川ネットワーク運動代表 佐藤洋子 檜山智子 若林智子