マイナンバー制度運用は最少限に


最近テレビで、マイナンバー制度のCMが流れ始めました。正式には「社会保障・税番号制度」と言い、社会保障・税・災害対策の分野で効率的に情報を管理するシステムです。今年10月、住民票を有する日本国民と中長期在留の外国籍の人、特別永住者に対して、12桁の個人番号が付され、紙の通知カードが届きます。個人番号カードの交付を希望する人は、申請書と顔写真を同封して送り返せば、住所地の市役所で、プラスティック製のICカードを受け取ることができます。

この個人番号カードは、氏名・住所・生年月日・性別の基本4情報と、顔写真・個人番号が記載され、身分証明書になります。どこからでも住民票や戸籍謄本等が申請でき、ICチップ機能によりe-Taxなどの電子申請にも利用できる等、利便性がPRされています。雇用関係にも使われ、就職の際はもちろん、パート・アルバイト時にも雇用主への提示が必要となります。雇用主は、支払った賃金を番号とともに税務署に申告することになり、雇用と納税は完全に管理されます。

また、利用拡大が可能とされ、政府部内では、健康保険の機能を取り込む動きもあります。
自治体では、図書館の貸出カード・施設利用カード・印鑑登録証明書など、独自の利用を条例で定めることができます。しかし、利用拡大により、紛失や盗難・悪用なども心配されます。加えて1ヵ所で大量の個人情報を管理することになり、不正アクセスや情報漏洩に万全の対策を講じることができるのか、大きな課題です。  国は、2015年度だけでも640億円の予算を投入し、マイナちゃんというキャラクターまで用意して普及促進を図ろうとしています。しかし、国が全て経費を持つということでしたが、自治体負担も小さくありません。

来年1月から全自治体で運用が開始されます。利便性の言葉に惑わされず、公平性や個人情報の保護、自治体の経費負担等の課題を明らかにし、最低限の運用に留めることを主張していきます。
【神奈川ネット情報紙No.355視点より】
組織部長 三宅まり(ネット鎌倉/市議)