マイナンバー制度~市民生活はどう変わるか

マイナンバー学習会 マイナンバー制度導入の準備が進められています。6月22日、神奈川ネットでは、森田明弁護士を講師に制度の概要や問題点を伺い、意見交換しました。
マイナンバー制度については、導入による課税の公平性や事務の効率化などのメリットが言われる反面、情報流出による被害、なりすましや制度導入に伴うシステム改修に要する多額の費用など、様々な問題点も指摘されています。
マイナンバー制度が導入されると、個人の一生を通じて社会保障・税・災害対策などの分野において、1枚のカードで本人確認と身元確認が可能となります。行政や事業主など使う側には、洩れなく管理できる良いシステムかもしれませんが、管理される側からは、収入・勤務先・年金等、デリケートな情報が個人レベルで一生管理されることの不安が拭えません。
日本年金機構の個人情報流出事件以後は、マイナンバー制度の安全性についても不安の声が大きくなっています。国はシステムの安全性を強調していますが、導入前から利用範囲を銀行預金や医療情報にまで拡大する動きがあることは疑問です。
学習会後の質疑応答では、世帯内のなりすましへの危惧やトラブルによる混乱、高齢者のマイナンバー管理など、様々な疑問や不安が出されました。また、事業者としてのワーカーズ・コレクティブの対応や負担についての質問も出されました。
県内自治体では、個人情報保護条例改正や、独自利用について定める条例制定に向けた意見募集が行われています。マイナンバー制度の導入は、行政手続き上のことに留まらず、私たちの生活を大きく変化させる可能性があります。今後の制度拡充のことも考え、マイナンバーが何に使われるのか、コストはどれくらいか、安全性の確保策など、使われる側の当事者としてしっかりチェックしていくことが必要です。

多様な働き方を保障する社会をつくる 

景気回復を受け雇用情勢は上向き傾向というものの、ブラック企業やブラックバイトが横行し、深刻な労働問題を引き起こしています。非正規労働者数は1939万人を超え全労働者の約37%を占めています。また、非正規労働者の約半数が25~54歳の働き盛りのいわゆる生産年齢層です。依然として雇用の非正規化が進んでいます。
このような中、今国会において労働法制をめぐる議論がされています。安倍首相は、民間投資を喚起する成長戦略として労働分野を含む規制緩和政策を推し進めようとしています。
これまで2回廃案となっている労働者派遣法改正案や、働いた時間の長さではなく成果で賃金を払うホワイトカラーエグゼンプションの導入などを盛り込んだ労働基準法改正案等が提出されています。
主に派遣労働や有期雇用の拡大、限定正社員や解雇規制緩和、裁量労働制の拡大や労働時間の規制を外す残業代ゼロなど、あらたな貧困と格差を生み出す法案には反対です。
同時に提出された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法案」は修正可決されました。これは、女性の活躍推進に向けた環境整備を推進し、いわゆる「M字カーブ問題」の解消に向け、2020年の25歳から44歳の女性の就業率73%をめざしています。
しかし、今回の労働法制の議論では、長時間労働抑制策や労働時間の客観的な把握は先送りされています。育児休業や短時間勤務を選択しやすいよう職場環境を整備し、女性の活躍を推進するとした法案との矛盾が生じています。
「同一価値労働・同一価値賃金」や男性の労働時間短縮をはじめとする「働き方の改革」が必要であり、女性も男性も子育て・介護・社会活動など、アンぺードワークをともに担えるワーク・ライフ・バランス施策の推進こそが急がれます。
【神奈川ネット情報紙No.357視点より】
政策部長 牧嶋とよ子(座間市民ネット)