制度を変える力を強める


 第169通常国会が6月21日閉会になり、NETが10,175筆の署名と共に提出した「企業・団体献金を廃止し、個人寄付を拡げる」ための制度改正を求める請願は衆参両院で審査未了(実質不採択)となりました。

 今回の請願活動に対し、企業・団体献金に多くを依存する政党の賛同を得ることができなったことは残念ですが、同時に、制度を変えていくために、市民が政治に参加する努力も求められていることを再確認しました。
 
 今国会に提出された請願件数は、衆議院は4945件、参議院は3815件でしたが、実質審査を経ず委員会開催前の理事会で保留扱い、国会閉会と共に審査未了となった請願件数は9割になります。 

 請願制度は、政策決定に市民の意思を反映させるため憲法が保障している権利です。たった一人の市民の声でも、議会での議論にのせることのできる、民主主義を補完する手段であり、誠実に取り扱うべきものです。

 また、請願は国会も自治体議会も紹介議員によって可能となり、議員と市民の共同の権力行使でもあります。特に国会では、紹介議員一人ひとりが、それぞれ提案者となる制度です。市民にとってはどれだけの議員の賛同を得るか力が試され、また議員は立法化する力が試されます。

 私たちは、不断に市民との共同政策提案活動を拡げます。権限やお金が国に集中する国中心の政治を変え、地域のことは地域で決められるシステムを拡げます。そのために、身近な政策決定の場である地方議会に、ローカルパーティや議員を生み出すことにチャレンジを続けます。

NET政策部長 佐藤秀子(ネット・平塚)
【情報紙NET No.273 視点】