米軍「遠征海上基地」ミゲル・キース、横浜港に現る ~軍港化が進む横浜ノースドッグ~


4月22日、波止場会館での会議を終えた私たちの目の前に巨大な戦艦の姿がありました。

横浜港の風力発電の風車を後方に、フェリーの船着場からもはっきり確認できる見慣れない戦艦について基地を監視する市民団体に問い合わせしたところ、米軍の「遠征海上基地」(Expeditionary Mobile Base)という種類の軍艦、「ミゲル・キース」とわかりました。

「ミゲル・キース」は、ヘリコプターやオスプレイの離発着や整備ができる広大な飛行甲板や格納庫を備え、補給・指揮・通信などの機能を持ち、揚陸作戦の指揮などの任務にあたるとされています。全長が約239メートル、幅50メートル、「基準排水量」(重さの単位)8万1000トン以上という巨大な軍艦で「遠征洋上基地」と呼ばれています。

市民団体からの情報では、昨年11月から三菱重工横浜製作所本牧工場で整備工事を行っていたとのことで、今年4月16日に整備工事を終えて、一旦、試験航海に相模灘まで行った後、また東京湾内に戻ってきて横浜ノースドックに入港したそうです。

米側は海上保安庁に情報を提供したものの、防衛省には連絡しなかったため、横浜市は通告がないことを理由に公表しませんでした。

厚木基地では、市民の反対の声も届かず日本飛行機で米軍オスプレイの定期整備が行われています。外国の軍艦が日本の民間工場で整備工事を行うということは有事の場合、施設が他国からの攻撃対象になります。

米戦闘機や戦艦などの国内整備やその機種の拡大は、短期間で補修して東アジアでの中国などの動向に機動的に対応できる体制が目的と言われていますが、東アジアの緊張を高めるだけで、けして市民が望むものではありません。

神奈川ネットは、市民による安全保障をすすめ、軍事によらない平和な社会を目指します。

波止場会館から巨大な戦艦を望む