民主党の企業・団体献金再開はマニフェスト違反


 民主党は、10月26日の常任幹事会で、昨年9月の政権交代後から自粛してきた企業・団体献金の受け入れを再開することを決めました。国や自治体との契約が1件当たり1億円未満の企業・団体からの献金は、癒着が疑われることがない範囲で受け入れを再開するとしています。 
 民主党は、昨年の衆院選、今年の参院選のマニフェストで企業・団体献金の全面的な禁止を掲げました。政権交代後は受け入れを自粛し、今年に入ってからはすべての企業・団体献金の受け取りを見合わせてきました。今回の再開は民主党の大きな方針転換です。
 1994年、リクルート事件やゼネコン汚職事件を機に、利権や癒着の温床となる企業・団体献金の廃止を目的にして、赤ちゃんからお年よりまで国民一人当たり250円を負担する政党助成金が創設されました。今年度分の助成金総額は、319億4100万円。民主党172億9700万
円、自民党103億7500万円を受けています。
 しかし、政党や政治資金団体には企業団体献金が残され、利権の構造は温存されてきました。民主党は、この利権の構造を断ち切るために、企業・団体献金の廃止を市民に約束したはずでした。
                ◉         ◉
 神奈川ネットでは、各地域ネットが、衆院選や参院選において、「企業・団体献金の廃止」の政治契約を行い、民主党議員を推薦してきました。今回の方針転換は、背信行為であり、市民の期待を裏切るものです。
 「癒着が疑われることがない範囲」などというものを特定できないのは明らかです。民主党は、自らが掲げた「クリーンな政治」を実現するために、企業・団体献金を全面的に禁止する法改正を早急に行うべきです。同時に政治を一人ひとりの意思でつくるために、政治への個人寄付を広げる制度改革が必要です。

【神奈川ネット情報紙 302号 2010/11/15】視点より
 神奈川ネット共同代表 永島順子(磯子市民ネット)