安全な食品を選択する権利は保障されるべき


 4月20日、農水省の食料産業局長・課長名で「食品の放射性物質に係る自主検査における信頼できる分析等について」という通知が出され、マスコミでも報道され問題となりました。 生協やスーパーなどの流通業、市民測定室など民間の食品の独自検査を「科学的に信頼できる分析を得るための要件」に添って行なうことや、「過剰な規制と消費段階での混乱をさけるため」に、食品衛生法の基準値に基づいて判断するよう周知を求めています。
 民間による独自基準は、食品衛生法をクリアした上でのさらなる食の安全への取組みです。これまでも、食の安全・健康を守るために、消費者団体や生協・市民測定団体などが、食品添加物・残留農薬・遺伝子組み換え食品への対策などの独自の基準や検査を実施してきました。

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 東日本大震災後の福島原発事故に対する政府の放射性物質への対応が後手に回る中、民間の独自の取組みによって、測定データを幅広く集めることができ、その情報を市民が手にすることによって食品の選択肢を示すことができました。今回の農水省の通知は、市民による選択の自由を脅かすものです。

 昨年7月には、総務省大臣官房長から法律によらず通知・通達のみをもって、国民の権利・義務に影響を及ぼすことは、それ自体が無効であり、記載しないように求めた「総務省における今後の通知・通達の取扱い」も公表されています。 その後、農水大臣からはこの通知は「お願いごと」であったというコメントも出されましたが、こういった対応が行政・政治への不信を生みます。

 今後も、食品による内部被ばくを避けるため、とりわけ、放射線に対する感受性の高い子どもたちにとって安心・安全な食べ物の選択が保障される取組みが求められます。

【神奈川ネット情報紙 No.320視点より】
 神奈川ネット共同代表 若林ともこ(ネット青葉/県議)