平和な社会は、私たちが創る


11月13日夜、パリで起きた同時多発テロは130人もの犠牲者を出しました。

事件は、フランスがアメリカとともに、シリアやイラクで ISへの空爆に参加する情勢で発生、フランスのオランド大統領は非常事態宣言を行い、最大規模の空爆を実行しアメリカ・ドイツ・ロシア・イギリスも追随しました。しかし、武力行使により一時的に組織が弱体化したとしても、若者たちの怒りや不満は解消されるものではありません。私たちは、報復の連鎖を生む現実を直視しなければなりません。

テロの実行犯は、フランス・ベルギー・ギリシャなどの国籍を持つ若者たちです。長引く不況は格差や貧困を拡大させ、社会に対する若者の怒りや不満が根深く存在していたと思われます。これは、自国で育った者による「ホーム・グロウン・テロリスト」と言われるような新たなテロの幕開けともされています。これは、日本でも起こり得ることです。
イスラム教徒への攻撃、嫌悪感が強まり、移民や難民の受け入れを拒む声も上がり始めており、ますます社会の分断化が進むことが懸念されます。

フランスでのテロに関与したとされているISは、日本もテロの標的であると宣言していますが、集団的自衛権を行使し、空爆を繰り返す国の後方支援を行えば、テロの危険は一層高まります。日本の防衛予算は2013年度から増加に転じ、来年度は過去最大の5兆円を超える見通しです。軍事力の増強は対立を深めるだけで、怒りや苦しみを乗り越えることはできません。

ひるがえって、私たちが住んでいる地域で、差別や貧困・格差をなくしていくことが、平和を築く一歩であると考えます。神奈川ネットは、共に働き・共に生きる地域社会づくりに一層の努力をします。

【神奈川ネット情報紙No.363視点より】
三宅まり(ネット鎌倉/市議)