7月2日の東京都議会選挙では、小池知事率いる都民ファーストと公明党等、小池知事を支持する勢力が過半数を上回り79議席と圧勝。一方で、今まで第一党であった自民党は大きく議席を減らし23議席、民進党は5議席、共産党は19議席になりました。結果については、都民は必ずしも都民ファーストに賛同した訳ではなく、共謀罪の審議など安倍政権の強硬な国会運営や、森友・加計学園問題への対応、加えて相次ぐ自民党議員の不祥事などに対する批判が強く出たものと考えます。
投開票の翌日、小池知事は都民ファーストの会の代表を辞任しました。選挙期間のみの代表職については、政党を選挙の道具に使ったとの批判もでています。代表職への就任・辞任がトップダウンで行われる現状をみても、今後も知事の影響力を排除した運営は期待できません。
地方議会では二元代表制における首長と議会の相互牽制が求められます。小池都知事は「今まで都議会は一元代表であった。これからは情報公開と見える化でチェックしていく」と述べていますが、客観的に見れば知事を支援する勢力で固められた「与党一強議会」となっています。都民ファーストの圧勝により牽制力が働くのか疑問です。 国政を反映し、政党間の攻防が繰り広げられた今回の選挙戦では、ローカルパーティが戦う厳しさを目の当たりにしました。豊洲への移転問題やオリンピック・パラリンピック開催など注目される課題はありますが、社会が大きく変わろうとしている時代の転換点にあって、市民の生活を支える政治の役割はますます問われるものと考えます。
私たちはこれまでもチルドレン政治家に象徴されるような熱しやすく冷めやすいポピュリズムの政治を見てきました。そして、その結果はいずれも市民の期待に沿うものではありませんでした。だからこそ、私たちは常に生活者の立場から争点を提起し、ローカルパーティとしての存在感を示していきます。
政策部長 山本とも子(厚木市民自治をめざす会/市議)
【神奈川ネット情報紙No.382 視点より】