東日本大震災から7年が過ぎました。未だに約7万9千人が避難生活を送り、 福島県の約3万5千人が放射能汚染によって故郷に帰ることができません。多くの人たちが地域のコミュニ ティを失い、孤立や貧困等の問題も抱え復興は思うように進んでいません。甲状腺がんと診断される子どもたちも増加する中、重い負担を背負う子どもたちや保護者に寄り添う包括的で長期にわたる支援が必要です。
◎ ◎
その後も地震や風水害等の災害が日本各地で多発しています。本年は、大阪北部地震と北海道胆振東部地震、また、6月には、鹿児島県で50年に一度の記録的な大雨が観測されました。7月の西日本豪雨災害でも、日常生活がいとも簡単に破壊される現実を見せつけられました。日頃から顔の見える関係を広げておくこと が、災害時においても、活かし、支え・支えられるコミュ ニティの基盤となります。
地震によって北海道の全 295万世帯がブラックアウトしたことは、原発に依存してきた大規模一極集中による電力供給の問題点を露呈させました。政府は7月に「第5次エネルギー基本計 画」を閣議決定、パリ協定発効を受けて再生可能エネルギーについて主力電源化をめざす方針を打ち出しました。しかし、未だに原子力をベースロード電源として位置づけ、再エネの主力電源化 に向けた具体的な道筋は見えず、各地で原発再稼働に舵が切られる状況です。
一方で、福島県内で、自然 エネルギーにより、自力で復 興の道をひらき次世代の若者のために豊かな社会をつ くる実践も始まっています。 生活クラブエナジーに電力を供給している飯館電力(株)は地域に50カ所の発電 所を展開するなど、クリーンで安全なエネルギーによる地域循環型経済を取り戻すためのボトムアップのチャレンジを続けています。
私たちは、こうした市民社会の実践に学びネットワー クしながら、持続可能な社会をめざします。11月10日には 6回目となる「東日本大震災・復興支援まつりinみなとみらい」が 開催されます。 東北の人々と交流し、日々の営みに目を向け、復興を支えていきます。
【神奈川ネット情報紙No.397視点より】
市民活動連携部長 土山 由美子(ネット伊勢原/市議)