任期満了に伴う今回の衆院選は、議席を減らしたとはいえ自民党の単独過半数となりました。主な争点はコロナ対策、格差・分配、多様性でしたが、任期の大半を占めた安倍・菅政権での数々の問題がうやむやのままにも拘らず、政権は継続されました。一方で、野党共闘(立憲民主党・共産党・国民民主党・れいわ・社民党)により、小選挙区の75%に当たる217選挙区で候補者の一本化が図られましたが、議席は3割に届かず、比例区においても大きく票を減らしました。立憲民主党は公示前の109から96議席に留まり、野党共闘から離れた第3極といわれる日本維新の会が議席を大幅に増やす結果となりました。
神奈川県においては、野党共闘が功を奏して立憲が議席を増やし、現職の自民党幹事長が小選挙区で議席を失いました。出口調査による比例区投票先では、立憲が21%、自民が19%と一定の支持を獲得しています。生活が苦しい若者層や非正規労働者の自公政権支持は根強いとのことです。しかし、大きな争点の一つである、コロナ禍で広がった格差・分配の課題に対して、さらには社会保障の見直しに向けて、自公政権が再分配を強化する構造に変え、野党との合力で再分配を前に進めてこそ、政治に対する市民の信頼を得ると考えます。
神奈川ネットは、衆院選方針として、「迫る気候危機に対応するエネルギー・環境政策、超高齢社会・格差社会を支える社会保障政策、持続可能な農業・食糧政策、人権を尊重し共に生きる社会づくり等をすすめる市民発の政治のために、市民が動いて衆院選に向き合う」を掲げました。選挙後の国政に対して、地域での市民の実践から今後も提案を続けていきます。 日々の暮らしは政治に直結し、選挙は社会変革となりえる市民の政治参加の大きな一つです。しかし、今回の投票率は、戦後3番目に低い55・93%でした。社会を変えるためには、投票に行く市民を増やすことが重要です。 神奈川ネットは、市民の政治参加を広げる活動を進めていきます。
【神奈川ネット情報紙No.434視点より】
加藤陽子(座間市民ネット)