共に生きる社会をめざして


 神奈川県では、42万人を超える障害者手帳を持つ人がいます。20人に1人が、何らかの障害者手帳を持っていることになります。また発達障害と診断される人も、全国で20年前の7倍に増えていると言われています。私たちのすぐそばに居るのに、見えていない現状があります。
 県内でも障害のある人のグループホームなどの施設建設に反対運動が起きています。それは、障害のある人のもつ個性が理解されていないことが一因です。障害があっても、気持ちが優しく、人を笑顔にする力を持つ人も沢山います。先日伺った横浜市緑区で知的障害者の施設を運営するNPO法人理事長は「施設の建設に反対する人が沢山いたけれど、いまは街の価値があがったと評価されている」と話されました。障害のある人が地域に溶け込んでいることが伝わってきました。
 2015年「ともに生きる社会かながわ憲章」を県議会と県で制定し、障害がある人とともに生きる社会を目指してきました。しかし、県施設での職員の利用者への虐待の隠蔽や、長時間施錠された部屋への閉じ込め、さらには障害者雇用の水増しが発覚するなど、憲章が置き去りになっていました。昨年11月に発信した「当事者目線の障害福祉実現宣言」では、議会からも問題視される表現があり修正しています。県庁のなかで、障害を持つ人の姿が見えていないのではと考えます。
 「神奈川県当事者目線の障がい福祉推進条例」の策定が進んでいます。しかし、当事者とは障害のある人ではなく、障害のある人を理解することなく、無意識に差別をしている人こそが当事者であり、意識変革がなければ「ともに生きる社会」はできません。障害のある人から「働くって生きている実感が湧きます」との一言がありました。だからこそ、一緒に働くと出来ること、出来ないこと、合理的配慮とは何かまた必要なサポートも見えてきます。まずは県庁の中が、ともに働く場であり、生きる現場であることが必要と考えます。見えない差別がある現状から、障害がある人が生き生きと働いている姿が見える県庁になることを常任委員会でも提案しました。
   【神奈川ネット情報紙No.439県議会だより  佐々木ゆみこ(ネット宮前/県議)】