10月25日、核兵器の実験、保有、使用を全面的に禁じる核兵器禁止条約の批准した国と地域が50に達し、90日後の2021年1月22日に発効することが決まりました。25日当日に長崎では新聞の号外が発行され「核兵器のない世界に向けて大きな前進だ」との市長コメントが掲載されました。
核兵器禁止条約が発効にこぎつけられたのは広島・長崎の被爆者の努力とそれを支えてきた世界の市民社会の粘り強い運動の成果と言えます。 しかし、核保有国や核の傘に依存する国は条約を批准しておらず、条約発効は「核廃絶のスタートライン」に過ぎません。何より、唯一の被爆国である日本が批准していないことは 残念というほかありません。
条約発効が決まった今こそ、日本政府は世界に向けて核廃絶を呼びかける先頭に立ってほしいものです。
世界は、気候変動や感染症など様々な脅威に晒されています。い社会を疲弊させる軍事的安全保障から脱し、一人ひとりの命を大切にし持続可能な社会をめざす「人間の安全 保障」へとシフトすべき時です。
日本の市民社会は、被爆者の思いを次の世代に繋ぎ「核なき世界」の実現に向けてさらに歩みを進めていきます。
【神奈川ネット情報紙No.422視点より】
岩本 香苗(ネットさがみはら)