大飯原発再稼働に抗議   省エネ・節電による脱原発社会を


 7月1日21時、大飯原発が再起動しました。6月16日に野田首相が再稼働を決めて以来、毎週金曜日に続けられてきた首相官邸前の抗議行動も、回を重ねる毎に集まる人の数が増え、29日には15万人の人々が集まったとも報道されました。しかし、これらの声も政府には届かず、見直しはなりませんでした。
 6月末の大手電力会社の総会では、経営側から原発再稼働の必要性ばかりが語られました。福島第一原発事故の衝撃がもはや過去のことであるかのようです。
 事故後の計画停電は、必要のないものでしたがその経験により、私たちは、過度に電力に依存する生活の危うさに気付きました。原発関係者も含め、多くの人の暮らしを壊してしまった原発事故。放射能汚染は、二度とあってはならないのです。今こそ、電力消費のあり方を見直し、省電力・脱原発社会へと大きく舵を切る時です。
 
 原発再稼働の決断が、どれほど重いものであるかを考えた時、それでもなお再稼働の政治判断を導いた背景に政官業の癒着という構造の根深さを感じます。
 政治は真に「市民生活の安全・健康・環境」を何より優先し、持続可能な社会をつくる選択を示すべきです。
 
 神奈川ネットは、まず私たちが取組むべきは省エネ・節電であると考え、自治体等に照明・空調などの切り替えによる節電を働きかけています。鎌倉市では6月議会で、神奈川ネット発の議員提案により、県内で初めての「鎌倉市省エネルギーの推進と再生可能エネルギー導入促進に関する条例」が制定されました。市民と共に具体的なエネルギー計画をつくり実行していく条例です。
 神奈川ネットは、大飯原発再稼働に反対し、原発に依存することのない地域にあったエネルギー自治社会をめざします。

【神奈川ネット情報紙 No.322視点より】
 神奈川ネット政策部長 岩本香苗(ネットさがみはら)