神奈川ネットワーク運動(NET)は、女性・生活者の視点から日本の社会保障の仕組みを制度改革するための政策提案に取り組む過程で、制度を決定する議会の議員が、その老後保障として、市民とはかけ離れて優遇された年金制度を「お手盛り」で作っていることに気がつきました。2000年からその実態を明らかにしながら、市民とともに様々な「議員年金改革」への取り組みを行ってきました。
2004年の通常国会は「年金国会」とも言われ、国民の年金制度改革の議論に「議員年金」がクローズアップされましたが、私たちNETの運動は、この動きに、少なからず寄与できたと自負しています。
この2月3日、国会を「国会議員互助年金法を廃止する法律」(案)が通過しました。国会議員として10年在籍することで、財源に7割近くも税が投入されている「国会議員独自の年金」を廃止する?というものです。しかしながら、「廃止法」の中身は、既に国会議員年金の受給者にはいくばくかの減額で、まだ65歳にはならないが受給資格がある人にも相当の保障をしようとするものです。国会議員の掛け金がなくなる分、税からの補填が今まで以上になる可能性があり「廃止」とは程遠い法律になってしまいました。
そもそも、「議員年金」の問題点は、その財源に「税=公費」の補填がある公的年金を、ダブル・トリプルでかけられ、給付もダブル・トリプルで受けられるのは「議員」のみである、という「議員特権老後保障」である点に集約されます。制度をつくる立場にある議員が、自らのみ「おいしい」思いをしては、「市民」の立場にたてるはずもありません。
神奈川ネットワーク運動は、今回成立した「国会議員年金廃止」の問題点をアピールするとともに、まだ手付かずの「地方議会議員年金」の廃止に向けて、今後も改革のための運動に取り組みます。