〜在日米軍再編の最終合意に対する見解〜
そもそも日本政府は、在日米軍基地が、住宅密集地のすぐ隣にあり、日常的に低空を戦闘機が飛び交うという世界に類を見ない異常な状況を、長年放置してきました。
基地のある街に暮らす市民は、この異常さに日常的にさらされてきています。
“私たちのまちに基地はいらない”。
これは、基地のあるまちに暮らすもののエゴだけではなく、「日米同盟」が、住民を守るものではないということに多くの人が気づいていることによります。
3月12日に行なわれた住民投票で、岩国市民は、厚木基地の空母艦載機の移転に対し、「NO」の意志を示しました。沖縄、普天間飛行場の辺野古への移転に名護市長が合意した直後の世論調査では、8割以上の市民が移転に反対しています。
そして、神奈川においても、キャンプ座間、相模総合補給廠を抱える座間市、相模原市では自治体をあげて抗議行動を行なってきました。
これは、基地のある街に暮らす市民の問題意識から発した、日本政府の安全保障政策への大きな疑問であり、地方自治の高まりです。
しかし、日本政府は、こうした行動に対し、基地負担を受け入れる替わりとして、基地の一部返還、そして地域振興策や漁業権、農業権の保障を、自治体への餌のように合意をとりつけようとしてきました。こうしてばらまかれるお金は、地域の信頼関係を崩し、未来に繋げるべき地域の営みを断ち、住民のまちづくりへの意欲をそぐものです。
地方自治を弱体化させ、国主導で進められてきた「米軍再編計画」。
米軍基地移転に3兆円の税金を費やし、継続的に米軍の駐留費である「思いやり予算」を拠出し続け、そのうえ、基地のある街の口封じのための新たな交付金を創出。
この膨大な税金は、「日本全土を米軍基地にする」ための米国の軍事戦略のために使われるのであり、国民が不安を持つミサイル攻撃やテロなどから国民を守るものではありません。
米国に追随することにより、さらに、その危険性が増すだけです。
憲法の主旨に沿い、脱軍備を基本とした平和政策への転換を、強く求めます。
神奈川ネットワーク運動 共同代表 檜山智子 若林智子 佐藤洋子