福田新内閣のもと臨時国会が再開されました。新政権は、テロ特措法問題や年金問題や福祉政策、政治資金の透明化、さらには修正を迫られている構造改革と多くの課題を抱えています。重要課題について、「与野党協議」のもとに進めたいという首相の姿勢は、派閥談合とも揶揄された政策論争なき総裁選によって誕生した政権の出自をあらわしているように思えてなりません。
先の参議院選挙における民意は、安倍政権への不信任であり自民党への批判です。また安倍政権が問われ続けた年金問題や政治とお金の問題は、官僚システムや政・官・業の癒着による政治腐敗そのものであり、長期政権が生み出した構造的な問題です。
新内閣発足後も、首相を始め、「政治と金」をめぐる疑惑が露呈し、政治への信頼は失墜し続けています。そして閣僚や党役職を辞することがあたかも政治家としてのけじめと見なされています。しかし、このような責任の取り方こそが、現在の内向きな政治を象徴しています。市民への説明責任を果たすということであれば、本来は、議員を辞するという判断もあるはずです。
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前政権は、政治的優先課題をとらえられないまま、民意とのミスマッチを起こし崩壊しました。求められているのは、政権維持のための政治の安定ではなく、生活の安定をはかる政治です。与野党とも政府案に妥協することなく、市民に対し具体の政策や理念を示し、法案を競い政策議論を戦わせることを期待します。
一票を投じ、政治や社会のあり方を決める市民が、政策や政治を評価する力も試されています。官僚に負けない政治をつくるために、ローカルパーティも沈黙してはいられません。この機をとらえ、生活の現場、市民から政策提言を推進します。
NET共同代表 若林智子 (横浜市議)
【情報紙NET №264 視点】