多様な働き方を保障する社会をつくる 


景気回復を受け雇用情勢は上向き傾向というものの、ブラック企業やブラックバイトが横行し、深刻な労働問題を引き起こしています。非正規労働者数は1939万人を超え全労働者の約37%を占めています。また、非正規労働者の約半数が25~54歳の働き盛りのいわゆる生産年齢層です。依然として雇用の非正規化が進んでいます。
このような中、今国会において労働法制をめぐる議論がされています。安倍首相は、民間投資を喚起する成長戦略として労働分野を含む規制緩和政策を推し進めようとしています。
これまで2回廃案となっている労働者派遣法改正案や、働いた時間の長さではなく成果で賃金を払うホワイトカラーエグゼンプションの導入などを盛り込んだ労働基準法改正案等が提出されています。
主に派遣労働や有期雇用の拡大、限定正社員や解雇規制緩和、裁量労働制の拡大や労働時間の規制を外す残業代ゼロなど、あらたな貧困と格差を生み出す法案には反対です。
同時に提出された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法案」は修正可決されました。これは、女性の活躍推進に向けた環境整備を推進し、いわゆる「M字カーブ問題」の解消に向け、2020年の25歳から44歳の女性の就業率73%をめざしています。
しかし、今回の労働法制の議論では、長時間労働抑制策や労働時間の客観的な把握は先送りされています。育児休業や短時間勤務を選択しやすいよう職場環境を整備し、女性の活躍を推進するとした法案との矛盾が生じています。
「同一価値労働・同一価値賃金」や男性の労働時間短縮をはじめとする「働き方の改革」が必要であり、女性も男性も子育て・介護・社会活動など、アンぺードワークをともに担えるワーク・ライフ・バランス施策の推進こそが急がれます。
【神奈川ネット情報紙No.357視点より】
政策部長 牧嶋とよ子(座間市民ネット)