共に生きる社会をめざして


  川崎市では、繰り返し起きている不当な差別の解消を目指して議論を進め、2019年6月に条例素案が示されました。「ヘイトスピーチ」は、国籍の違いから人間の尊厳と平等を否定するもので、決して許されるものではありません。
 市民は広くネットワークを作り実効性のある人種差別撤廃条例制定を求めて運動してきましたが、公共施設利用のガイドラインを作ったにもかかわらず、学習会と称して公共施設を使用したり、条例制定に反対する街宣が繰り返し行われてきました。ヘイトにより穏やかな生活を奪われる中、川崎市ではパブリックコメントなどの手続きを経て、この12月議会で「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」を提案し、市議会でも議論が続きました。最終的に条例は全会一致で可決し、神奈川ネットは付帯決議には反対しました。この条例では深刻なヘイトスピーチに対しては罰則規定を設けています。
 度重なるヘイトスピーチに命の危険も感じ、時に身を隠しながら活動している当事者の皆さんが求めているのは、差別のない共に生きる社会です。市民の運動から誕生した条例の理念を活かし、お互いの違いを認め、誰もが尊重される社会の実現をめざします。
【神奈川ネット情報紙No.411視点より】
     大西 いづみ(ネット宮前/市議)