2021年は、新型コロナウイルス感染拡大が止まらないまま幕を開けました。
一人ひとりの日常が大きく変わり、社会の歪みが生み出した分断と格差がより鮮明に現れています。生活困窮者自立支援法による住居確保給付金の受給者は増えつづけ、総合支援資金の生活支援融資決定件数も増加の一途です。2010年リーマン・ショックが起こり、仕事も住居を失った人への支援の脆弱さが明らかになり、生活困窮者自立支援法が施行され、今回は特例措置で対象を拡大するなどの対応をしていますが、そこからも溢れ落ちる人も増えています。
それでも市民社会のなかで、子ども食堂の類いやフードバンクなどの活動が生まれ、多様性を受入れ、困難を分かち合い、分断を食い止めようとする動きには希望を感じます。このような活動だけに頼ることなく、一人ひとりが夢を持ち、暮らせる社会にするための議論が政治の場で急務になっています。しかし報道される政治は呆れるばかりで期待すら感じられません。生活者の視点に立った政治が今こそ必要です。
現政権も気候変動問題から目を背けることは出来なくなり、2050年に温暖化ガス(排出)ゼロをめざすことになりました。便利さだけではない豊かさを見いだし、多くの生き物と共存できる環境に戻すためには、少し手間の掛かることや不便さも喜びにする暮らし方の転換が迫られています。そして東日本大震災から10年が経ち、改めて原子力発電に頼らないエネルギーシフトを市民に呼びかけ、政治の場でも求めていきます。
コロナ禍において、社会が大きく動こうとしています。生き方も、社会も、もっともっと多様になっています。私たちはこれまで、地域から社会を強くするために、参加型で社会構造の様々な変革に取り組んできました。そこには多くの市民の力があり、知恵がありました。今で以上に多くの人を巻き込みながら市民社会を強くし、一人ひとりの希望ある未来に繋げる活動を「コロナ」に負けずに進めていきます。
共同代表 佐々木ゆみこ