幼保無償化の更なる充実を


 昨年5月に成立した「改正子ども・子育て支援法」の基本理念には「全ての子どもが健やかに成長するように支援するもの」と謳われ、2019年10月から幼児教育・保育無償化が実施され、誰もが支払う消費税が財源となっています。政府は「子育て世代の負担を減らすことで、保育を必要とする子どもが質の高い教育を受けられる」としています。しかし実態は、所得が高いほど恩恵をこうむる仕組みにより教育格差が生じる可能性や施設の便乗値上げについて対策が取られないまま開始されてしまいました。

 神奈川ネットが目指す「差別のない社会」という視点から問題と思われるのが、独自の幼児教育に力を注いでいる各種学校が例外なく対象外となっていることです。特に経済的に厳しい状況に置かれている朝鮮学校附属の幼稚園は影響が深刻です。「全ての家庭の子ども」が支援されているわけではありません。

 1月30日、かながわ「共に生きる学習会〜日本になぜある?朝鮮学校〜」に参加しました。明治学院大学の鄭栄桓教授を講師に迎え、戦前、戦中の植民地政策により強制的に日本に連れてこられた朝鮮半島の人々が、戦後、民族意識と自尊心回復の場として作った朝鮮学校の歴史を学びました。ただ自分らしくあるための学校ですが、市民社会のなかで闘って勝ち取らなければ存続できませんでした。そして、今回の無償化からも排除されています。

 民族教育を受ける権利は、国際人権の諸条約で保証されているものです。しかも朝鮮幼稚園は、日本の「幼稚園教育要領」に準じた教育を行っています。制度除外となる理由が見当たりません。財源である消費税は、在日朝鮮人も払っています。学習会で学んだ差別が、現在もまた繰り返されている事実に憤りを覚えます。多様性が尊重され、自由な教育を選ぶことができる社会への 提案を続けます。
【神奈川ネット情報紙No.413視点より】山崎さゆき(大和市民会議/市議)