見解 新型コロナウィルス感染防止にともない子どもへの影響を最低限にするために


 2月27日、国は突然新型コロナウィルス感染拡大防止のため、全学校の休校を要請しました。この要請に対し、仕事を休めない、子どもを一人で留守番させられない、毎日のお昼ご飯を用意するのか、など生活への不安の声が上がっています。休校が感染防止にどのように有効なのかのエビデンスも明らかにしないなか、市民は対応に追われています。

 保育園・学童保育は開所することも可能としていますが、1日中、大勢の子どもが過ごすスペースが確保されていない学童施設もあります。また子どもの貧困が大きな問題となっている現状で、子どもの食を学校給食に頼る家庭では1か月以上、給食がないことは命に直結します。さらに、非正規労働の割合が高い一人親家庭は、休業補償が整備されないまま、収入が大きく減る可能性も高く、出費がかさむ新学期に向けて、不安が増大しています。家庭内の不安が高まって、子どもへの虐待が増えることを心配する声すら上がっています。

 自治体には、地方分権の観点からも、国の要請に対する冷静な対応が求められます。休校の判断や期間については、各自治体の判断を尊重するべきと考えます。

 子どもの精神的成長が見込める3月に休校となったことへのフォロー体制の充実や、学校施設の学童保育などへの開放を選択肢に入れること、さらには既に食材を発注している給食を地域の食堂として提供することの検討など、早急な検討をするべきです。また特別支援学校に通う児童生徒は、学校以外に日中を過ごす場所の確保が難しく、日中の学校施設の開放は必須と考えます。また今回の休校のために休業を余儀なくされた世帯への収入保障や雇止め防止については、国へ早急な対応を要望していくべきと考えます。感染を拡大させないために、必要最低限の対策は必要ですが、市民生活への影響も考慮していかなければなりません。

 未だかつてない感染症の拡大という見えないものへの不安や焦燥について、しっかり市民の声を政治の場に届けていきます。

 

2020年2月28日
神奈川ネットワーク運動