新型コロナウイルスは変異を重ね、春以降のデルタ株急増により、各地で医療崩壊が起き、8月には自宅療養中に首都圏で38人が命を落とし、災害とも言われる事態になっています。働き方も変わり、収入減少している世帯も増え続けています。「公助」を優先させず「自助」を強調する姿勢から、格差は広がり生活を維持できない人が増大し、女性・子どもの自死も増えています。
独自の支援策の充実が求められるなか、自治体は地方創生交付金で紐付いた国の支援策の実施に終始しがちで、地方分権とは名ばかりの状況です。さらに自治体の行政改革により、市民生活の基盤が脆弱化しており、公の機能不全があちこちで起きています。
今秋は、自民党の総裁選、衆議院議員選挙が行われます。市民を置き去りにした政治にはうんざりしています。コロナ禍の一年、観光業・飲食業・他関連事業者、また医療従事者・ケアワーカー、全てのエッセンシャルワーカーの労苦の一方で、国政では公職選挙法違反や収賄罪による自民党国会議員の辞職が相次ぎました。
コロナ禍においてこそ、政治のリーダーシップが望まれますが、強硬な政策を求める声が強まることにより、自由への侵害が起こる可能性もあります。市民の生活実態に即した政策を提示し、具体化して、責任を持つ政府を作ることにより、政治への信頼を取り戻すことが必要です。
そのための一歩として、自ら動く市民を増やしていくことも大切です。お任せにしない政治を実践し、政治とお金に対峙し、迫る気候危機に対応するエネルギー・環境政策、少子超高齢社会・格差社会を支える社会保障政策、持続可能な農業・食糧政策、共に生きる社会づくり等、命を真ん中に据えた市民の声が活きる政治に転換する機会と捉えます。
コロナ禍、私たちの生活は大きく変化しています。これまでの利権が絡んだ政治から、希望を持てる社会にするための政治への変革を仕掛けるチャンスです。一人ひとり責任を持ち、投票に行き、私たち市民から政治を変えていきましょう。
【神奈川ネット情報紙No.432視点より】
山崎さゆき(大和市民会議/市議)