市民の声が届く政治を


 6月に梅雨が明け、夏日が続く参議院選挙の幕開けでした。選挙期間中の反応は、決して良いとは言えず、政治に対して市民は期待すら持っていないと思える時もありました。しかし、選挙期間中に起きた銃撃事件から関心が高まり、投票率は微増となりました。

 選挙は民主主義の根幹であると、常に言われます。しかし、国会はじめ地方議会においても、どれだけの民意が政治の場に反映され、市民の声が届いているのかと思うことがあります。民主主義は、決定まで時間がかかります。それは議論を重ね、互いの着地点を探り合うことを大切にしているからです。それを多数決で強行して結果を出し、議論を遠ざけていることが、政治への信頼を崩していると考えます。

 参議院選挙は、都道府県単位の選挙区と全国比例から議員が選ばれます。しかし、全国比例は大きな組織の代表や知名度の高い人が選ばれている現状があり、特定の人のための政治になっていないでしょうか。

 今回の選挙で、与党は憲法改正発議に必要な議席を確保しました。だからこそ、神奈川ネットは、方針に掲げた平和を不可欠な礎として、政治の場に多様性を持込み、現場からの声を活かし、市民の持つ可能性を活かす政治にしていくために取り組んでいきます。

 一人ひとりが持つ1票の重みは等しくあるべきですが、そればかりに囚われることにも疑問を感じます。地域の課題を代表して議論の場に持っていくのが議員であるならば、選挙区のあり方も議論が必要です。

 来年の統一地方選挙にむけて、神奈川県でも選挙区の見直しが行われました。また衆議院選挙の区割り変更案も出ています。地域の声の代弁者である議員が議論を交わす議会にしていくことも含め、さらなる政治改革について提案を続けていきます。
【神奈川ネット情報紙No.442県議会だより 佐々木 ゆみこ(ネット宮前/県議)】