「子宮頚がん予防ワクチンの接種を積極的にはお勧めしていません」というニュースが突然6月に厚生労働省の検討部会から出されました。今年4月から定期接種となったばかりのワクチンが何故?との不安と混乱が市民に広がっています。被害者からの訴えがあって初めて、本格的な実態調査が始まりました。
かねてから不安の声が高いこのHPVワクチンについて、国内で接種が認められた2009年12月から2013年3月までに1986件の副反応・異状の報告が寄せられていました。にも関わらず法定化を急いだことに大きな疑問が残ります。
厚労省からの勧告が出てすぐに、神奈川ネットでは各自治体への聞き取りを実施しました。厚木市では4月に対象者に接種を呼びかける葉書を郵送したばかりで、勧告後直ちに有効性とリスクを記した説明書を送付したそうです。現時点での副反応等の報告はないとのことですが、3月までの任意接種については、報告が直接国に上がるため把握していないとのこと。すぐに調査をすべきです。野田市はすでに接種の一時中止を決定しています。
現在、製薬会社間の競争は厳しく、新薬の開発にかかる膨大な時間と費用を考えると、ワクチンを接種する方が利益を得やすいと言われています。日本では定期接種には税金が使われ、被害についても国の責任で賠償されるので、製薬会社の負担はありません。このような利益構造のために、リスクを負うのは小・中・高校生の女子であり、その家族です。安全性を保障できないのであれば、一時中止の措置を取るべきです。
自治体行政の責任において、HPVワクチンは完全にがんの予防はできないことや、接種におけるリスクと検診の重要さを伝えていくべきです。国の決定に翻弄されるのは自治体であり、市民です。また、どのような副反応が出ているのか、その程度に関わらず調査把握し、市民に情報を公開すべきと考えます。
【神奈川ネット情報紙 No.334視点より】
山本智子(厚木市民自治をめざす会)