政治への信頼を取り戻し改革をすすめます


 「政治とお金」にまつわる事件がまたおきました。
 現職農林水産大臣の資金管理団体収支報告書における不明瞭(不適切)な事務所費支出に端を発した事件は、官僚の天下り先となっている農林水産省所管の独立行政法人・緑資源機構(元公団)の官製談合事件の発覚へと波及し、農林水産大臣とその地元関係者、そして緑資源機構元理事の3人が自殺する結果となりました。事件の背後にあるのは、相も変らぬ政・官・業の癒着構造です。

 緑資源機構は、2007年までの5年間の事業費4600億円のうち3分の2が国の補助金で賄われています。今回摘発された事業を機構から受注した5つの公益法人の役員117人のうち41人は主に林野庁官僚の天下り。亡くなった大臣は関連業界が設立した政治連盟(政治団体)などから多額の献金を受けていました。現職官僚も巻き込みながら、林野族が癒着し、結局は税金を政治家に還流させたのが今回の事件です。
 1995年、企業・団体献金の廃止を前提に、国民一人当たり250円、総額300億円を超える税金を支出する政党助成金制度がスタートしました。しかし、結局禁止されたのは政治家への寄付のみで、政党・政党支部への企業・団体献金は温存されたまま。政党には、税金と企業・団体献金の両方が投入される結果となっています。
与党が提出した政治資金規正法改正案の「資金管理団体の経常経費のうち1件5万円以上の支出について領収書添付を義務付ける」が如何に本質を外れたごまかし法案であるか今回の件でも明らかです。
  
 繰り返される「政・官・業」の癒着を断ち切り、市民の政治への信頼を取り戻し政治改革を進めるため、神奈川ネットワーク運動(NET)はあらためて企業・団体献金の廃止を提案します。

NET政策部長 佐藤秀子
【6月15日情報紙NET №260 視点】