統一地方選挙を終えて あらためて参加型政治の実践を


 2007年統一地方選挙が終わりました。神奈川NETは、この統一地方選挙に、子育て・介護の社会化、議会改革・政治改革といった政策テーマを柱に、6つの条例提案=ローカルマニフェストを掲げ戦いましたが、政策的な争点をつくりきれない選挙戦でもありました。

  知事選、県・政令市議選の投票率は50%に届かず、前回を下回りました。利権政治、官僚政治がもたらす政治腐敗が生み出す政治不信、無関心とともに、有権者が主体者から傍観者となる政治の「劇場化」もますます進んでいます。さらに、インターネットの普及により政治家個人への直接的なアクセスが高まる中、「個」を表現できる政治・選挙の力も問われています。また、人々やマスコミの関心が国の政治に向けられ、二大政党化といったその時々の情勢も影響する県・政令市の選挙をローカルパーティが戦う難しさも否めません。
 しかし、そうであっても、政治を誰かに委ねるのではなく、まちづくりに意志を持って参加する力をベースに人々に寄り添う政治を実践することでしか私たちの未来は拓けません。その可能性を示唆する後半戦(一般市町村選挙)の結果でもありました。
 未来を描ききれない生きづらい社会にあって、今、私たちは生活=政治を放棄してはならないはずです。あらためて、国の政治に連なる政治ではなく、地方政治に意欲ある女性・市民、ローカルパーティやNPOが政策を競いエンパワーメントし、地域の政治を変える力とするために、政治への参加を呼びかけます。自治の歩みを止めることなく生活者政治を実践します。政治や選挙への参加を高めるために選挙制度の改革に取り組みます。今後も、実践に基づくメッセージを神奈川の地から発信し続けます。

NET共同代表 若林 智子(横浜市議)
【2007年5月15日情報紙NET №259 視点】