見解「生活に根差した憲法論議を」


 今年に入り、北朝鮮は弾道ミサイル発射を繰り返しています。それに対し、米国は原子力空母カール・ビンソンを日本海から朝鮮半島沖へと展開し、北朝鮮への牽制を強めています。この機に稲田防衛相は、安保関連法によって可能となった自衛隊の新任務「米艦防護」を発令し、日米連携をアピール。横須賀基地を出港した護衛艦「いずも」は、2016年3月の法施行後初の任務に就くこととなりました。安保関連法の実体化は進み、改憲に向けた既成事実も積み上げられ、平和主義、立憲主義が揺らいでいます。
 北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射は看過出来るものではありません。しかし、米軍と一体となって、軍事力による牽制を強めることが北朝鮮の暴挙を収めることには繋がらないばかりか、むしろ緊張を高める結果となっています。
 安倍首相は、日本国憲法施行70周年を迎えた5月3日、2020年の新憲法施行をめざすと改憲の具体的目標時期に言及しました。本来、最優先されるべきは国民的議論です。まずは、現憲法で掲げた国際平和主義の理念に基づき、世界の国々と核軍縮の取り組みを進めることや隣国との関係性の修復など、外交努力に徹することが必要です。
 私たちは、あらためて、暮らしの中から人権や平和に向き合い、格差や貧困に起因する紛争やテロなど、国際社会が晒されている様々な問題にも目を向け、政治権力の暴走を許すことなく、第2の基地県神奈川から平和の取り組みを強めていきます。