女性の政治参加が社会を変える


 

 新年が明けました。昨年は12年に1度の春の統一地方選挙と夏の参議院選挙があった年でした。地方選挙では女性議員は増えましたが、「政治分野における男女共同参画推進法」が施行されて初めての国政選挙だった参院選は、女性候補者50%の目標には遠く及ばず、女性候補者は28.1%にとどまりました。12月に世界経済フォーラムが発表した「男女格差(ジェンダーギャップ)報告書」でも対象国153か国中、日本は121位で過去最低順位となっています。これは政治分野での女性参画の遅れが大きく影響しています。

 いまだかつて経験のない超高齢社会に突入し、全世代型社会保障の議論が始まっていますが、男性主導の経済界の声が大きく、生活の現場にある声が届きにくいのが現状です。少子化と言われながら、待機児童や児童虐待の子ども権利は保障されず、包括ケアと言われながら、貧しい地域福祉に介護の社会化の後退、働き方改革は掛け声ばかり、などなど諸問題は、男性が圧倒的に多い政治の場では現実的な議論になりません。女性議員がもっと増えることで、生活の中にある課題を解決する政治に変わると考えます。

 誰もが安心して暮らせる社会へのセーフティネットを市民とともに作る政治が求められます。これまでも、暮らしたいと皆が思う社会は、市民の声や運動が作りあげてきました。神奈川ネットは、そうした動きとともに既存の政治文化に風穴を開け、地域から政治を変えてきました。

 他者の痛みに共感せず、民意を軽んじ、対話や説明責任を拒絶する政治ではなく、市民・生活者の声が届き、だれもが自分らしく働き暮らせる社会にするために、神奈川ネットは今年も政治が日常生活に直結していることを伝え、市民政治への参加、意思決定の場での男女共同参画を進め、市民社会を強くする政治を地域で広げていきます。
                  政策部長 保坂令子(ネット鎌倉/市議)