今こそ廃止 破綻目前の地方議員年金


 NETは、市民の公的年金とはかけ離れたお手盛りの議員年金制度の廃止に向け、01年から運動を進めてきました。その結果、06年、国会議員の議員年金は廃止されました。しかし、相変わらず温存されているのが、地方議員の議員年金です。
 議員年金への税金投入額は市負担分だけでも07年度は182億円、県・町村負担分を含めると263億円にもなっています。

 この11月に、市議会議員共済会から「研究会資料」が議員に届きました。「国策によって行われた合併で年金財政が予想以上に悪化したので再建策を検討するため会を立ち上げた、全国市議会が一致団結して国へ予算措置などの運動をしていこう」との趣旨です。
 地方議員年金については、02年、06年と税の投入率をアップする法改正が行われたばかりです。いずれも「20年後にも安定した給付ができるための措置」とのふれ込みでしたが、2度も続けてわずか3〜4年で制度の維持が困難になるとは「見込み違い」どころか市民をだましているのではとさえ感じます。 今回、関東市議会議長会から全国議長会への要望書も出されていることが分かりました。内容は「これ以上の公金投入は無理、廃止も含めた対策が必要であり、廃止する場合は会員の積立金の全額が保障されるべき」とのもの。
 公的年金への不安と不信がますます広がっている時に、更なる税金投入を行おうとする議員共済会と、自分たちだけ損なく撤退しようとする議員の動きに、市民感覚からかけ離れた、市民不在の政治の実態が表れています。

 NETは、このような動きに対し、議員年金制度の問題を明らかにしながら、廃止に向けた運動にこれからも取り組んでいきます。
*議員共済会:議員年金の支給を目的に事業を行う法人

【情報紙NET】No.278 視点より
NET政策部長 佐藤秀子(ネット・平塚)